人生に必要な知恵は、すべて幼稚園の砂場でまなんだ | Hackney's Wicked!

人生に必要な知恵は、すべて幼稚園の砂場でまなんだ

MASSIVE ATTACK'Teardrop'を聴きながら。
sunaba

著者: ロバート フルガム, 池 央耿
タイトル: 人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ
ロバート・フルガムの処女作。この人、カウボーイ牧師心理学者作家だが、肩書きは何て言ったらよいのかは判らない。
この本と出会ったのは高校生の時、神保町の某書店でアルバイトをしている時だった。まだハードカバーだった頃。初めてそこで貰ったバイト料で買った時の一冊で、社員の人に「高校生なのに随分と渋い本を選ぶね」と言われた。ただタイトルに惹かれてただけだったけど、当時この本は大ベストセラーだったと後で知った。そういえば、平積みしてたな。

何でもみんなで分け合うこと。
ずるをしないこと。
人をぶたないこと。
使ったものはかならずもとのところに戻すこと。
ちらかしたら自分で後片付けをすること。
人のものに手を出さないこと。
誰かを傷つけたら、ごめんなさい、と言うこと。
食事の前には手を洗うこと。
トイレに行ったらちゃんと水を流すこと。
焼きたてのクッキーと冷たいミルクは体にいい。
釣り合いの取れた生活をすること---毎日、少し勉強し、少し考え、少し絵を描き、歌い、踊り、遊び、そして、少し働くこと。
毎日かならず昼寝をすること。
おもてに出るときは車に気をつけ、手をつないで、はなればなれにならないようにすること。
不思議だな、と思う気持ちを大切にすること。発泡スチロールのカップにまいた小さな種のことを忘れないように。種から芽が出て、根が伸びて、草花が育つ。どうしてそんなことが起きるのか、本当のところは誰も知らない。でも、人間だっておんなじだ。
金魚も、ハムスターも、二十日鼠も、発泡スチロールのカップにまいた小さな種さえも、いつかは死ぬ。人間も死から逃れることはできない。
 ディックとジェーンを主人公にした子供の本で最初に覚えた言葉を思い出そう。何よりも大切な意味を持つ言葉。「見てごらん」


子供の頃砂場が大好きだった。一桁の歳の頃が一番引っ越しが多かった。友達がいなくても、行く街にはどこにでも公園はあって、砂場は必ずあった。穴を掘り、山を作ってトンネルを掘り、水を張って空想の基地に住む自分を想像するのが好きだった。
内弁慶な年子の妹とは違って、いつもひとりで外に出て、知らない子と遊んでいたそうだ。人見知りしないのは気質もあるけど、置かれた環境が大きかったと思う。
小学校の同級生のお母さんが、ある街で一時私の保母さんだったこともあり、偶然数年振りに再会した時も「よく砂場で遊んでたね。」と言われた。 その先生が言っていたが、砂場で遊ぶ子供は創造力を育てるのにいいそうだ。
この本を読む前も読んだ後も何も変わらないけど、自分のことを思い返してみても確かにあそこで学んだ事は多かったし、多少違えども根本的な考えはずっと変わっていない。
今回、この根っこの部分の考え方が違っていたことで、ちょっとした行き違いがあった。ただ、考え方と生き方が違っただけ。
楽しい事は好きだが、快楽主義ではないので楽しければいいとだけは思わない。頭が固いのかも知れないが。人それぞれだし、それはそれでいい。
皆、己の法則やちいさな法律を持っていて、その中で生きているのではないだろうか。
少なくても"私"は志向、趣向も含めて、その共通項が多い人を"友達"と呼んでいる。
アーティスト: マッシヴ・アタック, ネイル・デイビッジ
タイトル: メザニーン